描く理由の根源にある気持ちは何かと考えれば、「うまく描けたら皆が褒めてくれるんじゃないか?」という思いな気がします。
同時に、絵を通じて、見てくれるかたにとってプラスの方向に動く感情を与えることができれば、とも思っています。
描き始めは、手の向くままです。顔が好きだから顔から描いて、という具合ですね。描いていて、これがポイントになるな、と思ったら、それをテーマにします。
なので絵のタイトルは基本的に後付けです。描き上がったものに意味を付けていく作業が好きです。
美術系の大学に通っていましたが、校舎はそんなに広くなく、自分次第で顔見知りが増えるような環境でした。
自分は「わかりやすく綺麗なイラスト」が好みなのですが、違うジャンル・テイストの作品をつくったり好んだりする学友が身近にいることで
それらの良さも理解できるようになってきました。
「あの人がやっているのだから、何か良いところがあるんだろう」と受け入れ、興味を持つことができるんです。
例えば、自分が好きではないもの・理解できないものが評価されているのを見ると、それらを受け入れてこなかった自分の人生を否定された気がしてしまって
「なんであんなものが?」と狭量な気持ちになってしまっていたのが、あれにはあれの良さがある、と思えるようになることで、すごく視野が広がり、人生におけるストレスも減ったんです。
就職の時期になってキャラクターを沢山描けるのはゲーム会社だろう、という曖昧な認識で大手ゲーム会社を数社受けましたが、全て落ちました(笑)。
東京なら何か仕事あるだろう、とツテをたどって上京し、就職情報誌を見てDTPのデザイン会社に応募しました。
デザインのポートフォリオがなく、ほとんどイラストだけ見せて面接したにも関わらず、Photoshop&Illustratorのささやかな経験値とやる気だけで採用していただけました。
四年ほど務めましたが、猛烈に忙しかったので、当時は絵を描きたいストレスがすごくたまりましたね。
通勤電車の行き帰り等、何かと時間を見つけて描いてました。自主制作の部分では今よりもその頃のほうが意欲的だったかもしれません。
やっぱり絵を仕事にしたいという思いは、日に日に強くなり、20代のうちでないと、失敗したときに取り返しがつかないという考えから、退職に踏み切りました。
そして、イラストレーターとしての初めての大きな仕事は、コミケ経由でした。
コミケでの隣のスペースが偶然憧れていた有名な作家さんで、そこに出版社の編集者さんがスペースに遊びに来ていらしていて、紹介していただけたんです。
そんなご縁で、書籍イラストのお仕事を頂くことができました。
小さいころによく真似て描いていたのは、高河ゆん先生、CLAMP先生の作品ですね。
当時クラスに絵が描ける人があまりいなくて、ちやほやしてもらえるのがとても嬉しかった覚えがあります。
大人になってから、オーブリー・ビアズリーやカイ・ニールセンの絵に魅かれるようになりました。
初めて出展した即売会は2006年のデザインフェスタです、ネットで知り合った絵描き友達と一緒に出ました。
全然見てもらえなくて、あのときはかなり凹みましたね。
今よく出展するのは、コミケとコミティア、関西コミティアにもタイミングが合えば参加します。
これまでの経験がひとつひとつ積み重なって現在があり、何が一番重要な出来事だったか一概に言えませんが、
桜Exhibitionで大賞の桜賞を受賞したことは、大きい出来事だったと思います。
それまでは、オリジナルのイラストを見て下さったかたから反応をいただけることは、あまりなかったのですが、
受賞してからは、ありがたいことに色んな方面から反応をいただけるようになりました。
インタビュー実施月: 2014年5月
描く原動力は、褒めてもらうことを期待することです、とさらりと語ってくださった鹿間さん。懐の深さに感嘆しきりなインタビューとなりました。
そんな鹿間さんはワンちゃん(名前:しらたま)と一緒に暮らしていて、そのしらたまちゃんは何とツイッターアカウントまで持っているようです!?
要チェックな可愛さですよ?https://twitter.com/ss_shiratama
鹿間そよ子
性別:女性
千葉県
サークル名:ss_sakura(エスエスサクラ)
HP | http://www.soyoko.net/ |
https://twitter.com/ss_sakura | |
http://www.facebook.com/shikama.soyoko |
商業活動:
『六人の兇王子』(著:荻野目悠樹)シリーズ表紙・挿画(株式会社幻冬舎コミックス)
『MdN』メイキング記事寄稿(株式会社エムディエヌコーポレーション)
『モンスター・コレクション』カードイラスト(株式会社KADOKAWA 富士見書房)
『バハムートブレイブ』カードイラスト(株式会社オルトプラス)
『戦国サーガ』カードイラスト(株式会社サムザップ)
『戦国炎舞~KIZNA~』カードイラスト(株式会社サムザップ)
『天下統一クロニクル』カードイラスト(株式会社サイバーエージェント)
『陰陽師〜平安妖絵巻〜』カードイラスト(株式会社ドリコム)
他多数